今日も、たいしたことは起きなかった。
ただ、ちょっと仕事でミスをした。
ただ、何気ない一言が胸に引っかかった。
ただ、それだけだったはずなのに――
夜になって、ひとりになると、急に息苦しくなった。
うまくいかない日って、本当にある。
いつも通りやってるはずなのに、ちょっとのズレが全部に響いてくる。
「あのとき、こうしていれば」
「もっとちゃんとやってれば」
「やっぱり自分って、ダメなんじゃないか」
思考が止まらなくなる。
そして気づいたら、もう「全部がダメ」みたいな気がしてしまう。
少し前の話。
企画書が通らなかったことがきっかけで、自分が会社にいる意味すらわからなくなった時期があった。
やる気が空回りして、先輩の一言がやけに冷たく響いて、家に帰ってシャワーを浴びながら、ふと涙が出た。
何か大きな失敗をしたわけじゃないのに、なぜかその日は、「全部が無駄だった気がした」
心の中で誰かに認めてほしかった。
「頑張ってるね」って、一言が欲しかった。
でもそれを言われても、きっと僕は素直に受け取れなかった。
だって、“結果が出てない自分”は、存在しちゃいけない気がしてたから。
ある日、本の中に書かれていた一行に目が止まった。
「結果で自分を測るな。今日も心だけは折らなかっただろ?」
読み終えたあと、なぜか心が軽くなった。
人前では強がってたけど、本当は、“ただ誰かに、そう言ってほしかっただけ”だったんだと思う。
努力してるのに結果が出ないとき、
「まだ努力が足りない」って自分を責めがちになるけど、違う。
頑張ってる。
ただ、報われてないだけ。
タイミングが合ってないだけ。
流れがまだ来てないだけ。
そんなときこそ、自分に一番優しくしなきゃいけないのに、
僕たちは真逆のことをしてしまう。
責めて、潰して、沈めてしまう。
今、少しでも心が沈んでいるなら、聞いてみてほしい。
あなたの価値は、どこかに消えてしまうんですか?
何もできなかった日、
誰にも優しくできなかった夜、
うまく話せなかった瞬間。
全部がダメだったように感じる日でも、
あなたがその日を“生き切った”ことには変わりない。
だからどうか、今夜くらいは、
静かに自分を許してあげてほしい。